密閉式 膨張タンク
設置場所をフリーに設計でき、
衛生的な密閉式膨張タンクは
ランニングコストが低く、
経済的です。
給湯用、暖房用膨張タンクの容積計算
使用すべき膨張タンクの容積は、配管システムにより決定されます。 以下手順により最適な膨張タンクを選定してください。
計算のための必要な数値
システム水量(Vsリットル)
システム水量は、逆支弁以後のボイラー、貯湯槽、配管等全ての保有水量とします。
■配管保有水量(SGPにて計算)
補給水温度(t℃)
システム内のボイラー、熱交換器等の最高使用温度を採ります。
補給水温度(t℃)
システムに補給する給水温度を採ります。一般的には5℃~10℃です。
最高使用圧力または安全弁のセット圧力(P0MPa)
システム内のボイラ・貯湯槽などの最高使用圧力ですが、具体的にはシステムに取り付けた安全弁のセット圧力を採ります。
補給水圧力(P1MPa)
システムに補給する給水圧力を言いますが、減圧逆支弁により下記に調節し、必要以上に高くしないで下さい。
この圧力が高くなると後述の最大許容圧力(△P)が小さくなり、大きな膨張タンク(Vt→大になる)が
必要となります。
※補給水圧力≧システム最高位での高さ(圧力換算)+最高位器具での必要圧力
循環ポンプの揚程(Hm→P2MPa)
システムに補給する給水温度を採ります。
■【第1表】水の膨張係数 K
膨張タンク容積の計算
- P:システム圧力(MPa)
システム圧力とは、システムの運転停止時において膨張タンクにかかる圧力を言います。 - P1:膨張タンクにかかる補給水圧力(MPa)
- P2:循環ポンプの揚程(MPa)
システムによっては、循環ポンプの揚程が加わる場合とそうでない場合があります。 - P3:大気圧(0.098MPa)
※密閉式膨張タンクの予圧圧力は、このシステムより0.02MPa程度高くして下さい。
ただし、このシステム圧力は絶対圧力(MPa)になっていますので、ゲージ圧力に換算のうえ予圧圧力として下さい。
(予圧圧力は圧力ゲージにて測定するので、絶対圧力でなくゲージ圧力を使用します。)
- △P:最大許容圧力(MPa)
最大許容圧力とは、システムの最高使用圧力(システム内の安全弁セット圧力)と運転開始時との圧力差を言います。
これが小さいと膨張タンクの容積が大きくなります。 - P0:安全弁のセット圧力(MPa)
0.9を乗ずるのは、安全弁のセット圧力に対して余裕を10%見込むためです。 - P1:補給水圧力(MPa)
前述 - P2:循環ポンプの揚程(0.098MPa)
前述
- VB:プラダの必要容積(L)
- K:水の膨張係数(第1表より)
- Vs:システム水量(L) × 1.1(余裕率)
- Vt:膨張タンクの必要容積(L)
- VB:ブラダの必要容積(L)
- P:システム圧力(MPa)
- △P:最大許容圧力(MPa)
膨張タンクの選定
計算値(必要容積)より大きな[プラダ容積・膨張タンク容積]を有する型式を選定する。
密閉式膨張タンクについて
膨張タンクは、空調システムや給湯システムなどで発生する膨張水を吸収する目的で設置されます。
近年では、従来の開放型に変わり、設置場所に制限のない密閉型も御利用頂いております。
密閉式膨張タンクには、以下の特長があります。
1. 直接外気に触れないので衛生的である。
2. 補給水口が不要である。
3. 屋内設置ができるため、寒冷地においても凍結の心配がありません。
当社の密閉式膨張タンクは、本体(シェル)材質は耐久性に優れたSUS304製と低コストのSS製の2タイプがあり、
お客様のニーズに合わせて選択できます。
密閉式膨張タンク内のブラダは消耗品です。使用頻度によっては劣化に差が出ます。
また、異常加圧等によっても破損が生じます。
破損した場合には、交換作業が可能ですので、弊社まで御連絡頂きますよう御願い申しあげます。
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タンクは、すべて完成品しか納入できませんか?
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。 -
ステンレス配水池の材料は、どうやって決めるのですか?
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。 -
古いタンクを取り換えることは可能ですか?
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。