7.2 天井剛床仮定の修正方法
実際配水池の天井は、剛床仮定の同一変位条件を満たさないことが多いので、より正確な
部材応力の評価を求めるために、剛床仮定に対して修正の必要がある。以下ではこの修正方
法について説明する。
天井板の同一変位条件を修正するには、まず、地震荷重が発生時の天井板の撓み具合を評
価しなければならない。
図11に天井板の面内撓み(δc)の計算モデルを示す。
荷重としてブレース付き架構上端部に発生するばね力にする。
天井板の端部は、側板に拘束さればね境界条件となっているが、ここで計算しようとする
天井板中央部の撓み(δc)は天井板縁に対する相対変位であり、また、配水池における静水
圧や補強材の働きを考慮して縁部における全体の回転が殆ど不可能であるので、完全固定と
した。
このように、配水池の天井板を、均等分布荷重を受けった両端固定の梁に見なして撓み(δ
c)を求めることができる。
N 個の集中荷重ばね力を等分布荷重に置き換えて中央位置の撓み(δc)は、次式(13)
により求める。
このように、配水池の天井板を、均等分布荷重を受けった両端固定の梁に見なして撓み(δc)
を求めることができる。
N 個の集中荷重ばね力を等分布荷重に置き換えて中央位置の撓み(δc)は、次式(13)
により求める。
剛床仮定に対する修正は、実質的に天井ばね力に対する修正となる。ここで、修正係数Cf
を導入し、修正前のばね力と修正後のばね力の間では式(14)が成立するとする。
ここで、PBS:天井ばね力 P’BS:天井撓みを考慮して修正した天井ばね力である。
次に、修正係数Cf と天井板中央部の相対変位(δc)の関係式を導き出す。
この関係式の厳密な導出は、複雑な力学計算、更に大量な実験が必要となるので、ここで、
近似法でその関係式を求めることにする。
図12に地震荷重が作用した場合、天井板平面における各部の水平変位の関係を示す。δ
Bf は補強架構の上端部がフリー状態場合の水平変位で、δWf は側壁の上端部がフリー状態場
合の水平変位で、また、δR は両者の上端部が剛床仮定の天井板により連結された場合の同
一変位である。
側壁と補強架構の変位差により発生した天井ばね力は、天井変位がδWf 以上になって始め
て発生するとすれば、その大きさが天井板の相対水平変位(δR-δWf)に比例していること
となる。一方、同じ同一変位値δR を維持するために、天井板の面内撓みδc の発生は、天井
板の相対変位幅が小さくて済み、すなわち、天井ばね力PBS の軽減を意味している。したが
って天井板の面内撓み(δc)と天井板の変位幅(δR-δWf)について、式(15)が成立す
る。
式(15)によれば、剛床の場合、δc=0 Cf=1.0、ばね力の軽減はなく、撓みδc の
増大につれて、ばね力の軽減は大きくなり、撓みδc が(δR-δWf)に達すると、天井板の拘
束効果を完全に失い側壁と補強架構の上端部がフリーとなって、天井ばね力は発生しなくな
る。
本計算例の場合では、
δc=0.0083cm (式(12)の参照)
δWf=0.037cm (式(5)の参照)
δR=0.18cm (式(7)の参照)
Cf=0.942 (式(15)の参照)
よって、修正後のばね力
P’BS=144.0KN (式(14)の参照)
という結果なる。
修正したばね力を用いて、高さ方向における補強構面位置の変位分布及び各段軸力を再計
算した結果は、表5にまとめた。
表5から、両者とも基準値との差が更に縮小し結果がよく一致しているようになるので、
修正方法の妥当性が立証されたと考えられる。
表5 変位と軸力の修正値
なお、本計算例では、ばね応力に対する修正幅は約6%で小さくとどまったが、式(13)から
分かるように、天井板中央の変位幅は、天井板のアスペクト比(L/B)の3 乗と比例してい
るので、配水池の形状によって、ばね力を大きく修正することがあり得ることが予測できる。
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