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  • 2013.12.25第7部 矩形ステンレス鋼製配水池の耐震設計について

    表1 外力の計算結果

    7-1

     

     

     

    ステップ2:諸部材の選定

     

    式(9)から、天井ばね力は、各段ブレース材のサイズ及び側壁材の厚みに関係するので、

    まず、部材の選定が必要となる。表2にブレース材と側壁材の詳細を示す。

     

    表2 諸パラメータのまとめ

    7-2

     

     

    ステップ3:天井ばね力の算出

    表1、表2の値を式(9 )に代入して、縦型組立ばりの上端部に作用するばね力はPBS=

    152.9KN と求めた。また、側壁の上端部に作用するばね力(PWS)は、式(8)より(PBS)

    の2.5 倍の382.6KN と算出した。

     

    ステップ4:部材の安全性の検証

    各段ブレース材の軸力は、式(11)により求める。

    7-3

     

    各段ブレース材の安全性評価は、許容応力度に従い式(12)を用いて行う。

    7-4

    ここで、fti はブレース材(SUS304)の長期許容応力度となる。

    各段ブレース材評価結果は、表3にまとめる。

     

    表3 各段ブレース材の評価結果

    7-5

     

     

    6.シミュレーション方法、条件及び結果

    有限要素法と称する3次元数値シミュレーション法は、コンピュータ大容量と高速度に伴

    って、多分野に応用されている。そのうち、最も成功したのが構造解析分野である。シミュ

    レーションを通じ、大量の実験、複雑な計算を行わなくても、合理的、かつ安全な構造設計

    が、簡単且つ短時間でできるようになっている。

    天井ばねの考え方の妥当性を検証するために、3次元数値シミュレーションの有限要素法

    を用いた。使用したソフトは、MSC.VisulNastran for windows2002 である。

    モデリングに当たって、配水池内部の補強材等のフレーム材に線要素を、側壁・天井板の

    板材にシェル要素を使用して、モデリングした。 構築したモデルは、図8 に示した通りで、

    節点数544、要素数1331である。

     

    モデルに使用した部材は、表2に示したものとする。また、天井板の厚みは0.15cm を使

    用する。荷重条件として、表1に示す水平力を節点荷重として各段ブレース材・側壁の天端

    に(Y 方向)与える。境界条件としては、底板にあるすべての節点にピン固定条件を与え、

    後の節点については、前章の計算条件に一致させるため、水平荷重の方向以外の方向(X、Z

    方向に拘束条件を与えた。解析方法は、線形静解析とする。

    8

    図9 に解析結果である配水池全体の変位分布のコンター図を示す。同図から、次のことが

    明らかになった。

    ① 荷重が作用する方向において、側壁面位置の変位量が小さいがブレース付き架構位置

    の変位量が大きい。

    ② 天井水平面においては、各所定ポイントの変位量は多少の差があるが全体の変位分布

    は同一変位に近い分布を呈する(図5の天井変位軌跡面に相当)。

    ③ 天井面より低い水平面においては、側壁部分の変位量は小さいのに対して中央位置の

    ブレース付き架構位置の変位量は大きく、全体の変位分布は台形を呈する(図5の天

    井以外の変位軌跡面に相当)。

    9

    図10 に解析結果のブレース付き架構の軸力分布のコンター図を示す。 同図から、まず

    軸力が主にブレース材に発生するのは明白で、さらに各段ブレース材における軸力(絶対

    値)の変化は、下段から上段まで単調変化ではなくまず減少し一旦最小値に達してから再

    び上昇するのが特徴である。

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