5.ブレース材の設計実例
前章では、天井ばね力の考え方について構造力学理論から説明した。以下では、この考え
方に基づいて実際のブレース材について、その設計方法及び評価方法を説明する。
設計対象に想定した配水池は、寸法12×12×8Hm、有効容量約1000m3 である。
図6に配水池の内部補強構造のブレース付き架構を示す。同ブレース付き架構は、配水池
内に2m間隔で設置する。このブレース付き架構では、1m幅の縦型組立ばりは架構の両端
に設置し、水平材により8段に区切られている。
ブレース付き架構の耐震設計は震度法に準じ行い設計条件は以下の通りである。
設計水平震度 0.55G
積雪高さ 1.0m
積雪密度 1.5KN/m/m2
最高水深 7.5m
以下では、ブレース材の耐震設計について、四つのステップに分けて説明を進める。
ステップ1:各段ブレース材天端における外力の算出
① まず各段ブレース材天端位置の動水圧について、Housner らの動水圧算定式2)を用い
て算出する。(図7a)
② 各段ブレース材段内の斜め分布の動水圧を平均化する。(図7b)
③ 水平負担幅(2m)と鉛直負担幅(図7c)、さらに対向の2 枚側壁に作用する動水
圧分を考慮して各段ブレース材天端に作用する水平力(PBhi)を算出する。この場合、
天井位置(8段目)の水平力は、動水圧による水平力に、積載積雪荷重による慣性力
を加えたものとする。(図7d)
④ 式(4)を用いて各段ブレース材天端に作用するせん断力(QBi)を算出する。(図7e)
算出した各段ブレース材天端に作用する外力(設計用水平力と設計用せん断力)は、表1
にまとめた。また、側壁について同じ方法で外力を算出する。但し、側壁の水平負担幅は、
ブレース付き架構の半分とする。算出した結果も、同表にまとめた。
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