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  • 2014.01.22第10部 矩形ステンレス鋼製配水池の耐震設計について

    7.3 ブレース付き構造の実用的設計について

    ブレース付き構造について、天井ばねの考え方を用いて、ブレース材の軸力の求め方法を

    検討したが、5 章の計算例の場合でも、6 章の解析の場合でも、一方向の純せん断変形モー

    ドの理想条件を使用した。しかし、実際配水池の場合、曲げ変形モードも多かれ少なかれ加

    えられるので、ここでの示した結果と異なる(プラス方向)ことがありうると考えられる。

     

    また、検討の際、ブレース材の座屈を無視したが、実際配水池は、水平力を受けペアーの

    2 本のブレース材がそれぞれに圧縮と引張状態にあるので、部材安全性の評価は、ブレース

    材の細長比に応じて、1 本のブレース材の引張許容応力度と2 本のブレース材の圧縮許容応

    力度のいずれかを用いて行う必要がある。

    計算例に示すブレース付き架構は、基本的なパターンである。しかし、実務設計に当たっ

    ては、施工性、経済性は言うまでもなく、今後長い年月にわたって維持管理を行わなければ

    ならないので、保守・点検の利便性を図る必要がある。よって、基本的な補強架構をベース

    に様々な補強架構が考えられる。

    図13に矩形ステンレス鋼製配水池の設計例の一つを示す。同設計例は、以下の特徴があ

    る。

    13

    1) 保守・点検時の作業性を考慮し、下部2m高さ範囲内に水平材を設置しない、い

    わゆる2m補強レス構造である。

    (2) 保守・点検時の作業性を考慮し、柱を3m間隔で設置するので、開放感があるこ

    と。

    (3) 天井の積雪・積載荷重を支えるため、天井支持材を1m間隔で設置し、さらに、天

    井直下の水平材の代わりに大ばりを使用すること。

    図14に大型ステンレス配水池の設計例の一つを示す。これは設計例を更に発展させたも

    ので、水平材を設置しない、いわゆる壁自立構造は最大な特徴である。これによって、配水

    池内の空間を最大限に確保すると同時に、材料費・工事費の低減を図ることができる。

    14

     

     

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