7.3 ブレース付き構造の実用的設計について
ブレース付き構造について、天井ばねの考え方を用いて、ブレース材の軸力の求め方法を
検討したが、5 章の計算例の場合でも、6 章の解析の場合でも、一方向の純せん断変形モー
ドの理想条件を使用した。しかし、実際配水池の場合、曲げ変形モードも多かれ少なかれ加
えられるので、ここでの示した結果と異なる(プラス方向)ことがありうると考えられる。
また、検討の際、ブレース材の座屈を無視したが、実際配水池は、水平力を受けペアーの
2 本のブレース材がそれぞれに圧縮と引張状態にあるので、部材安全性の評価は、ブレース
材の細長比に応じて、1 本のブレース材の引張許容応力度と2 本のブレース材の圧縮許容応
力度のいずれかを用いて行う必要がある。
計算例に示すブレース付き架構は、基本的なパターンである。しかし、実務設計に当たっ
ては、施工性、経済性は言うまでもなく、今後長い年月にわたって維持管理を行わなければ
ならないので、保守・点検の利便性を図る必要がある。よって、基本的な補強架構をベース
に様々な補強架構が考えられる。
図13に矩形ステンレス鋼製配水池の設計例の一つを示す。同設計例は、以下の特徴があ
る。
(1) 保守・点検時の作業性を考慮し、下部2m高さ範囲内に水平材を設置しない、い
わゆる2m補強レス構造である。
(2) 保守・点検時の作業性を考慮し、柱を3m間隔で設置するので、開放感があるこ
と。
(3) 天井の積雪・積載荷重を支えるため、天井支持材を1m間隔で設置し、さらに、天
井直下の水平材の代わりに大ばりを使用すること。
図14に大型ステンレス配水池の設計例の一つを示す。これは設計例を更に発展させたも
ので、水平材を設置しない、いわゆる壁自立構造は最大な特徴である。これによって、配水
池内の空間を最大限に確保すると同時に、材料費・工事費の低減を図ることができる。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。