1.はじめに
ステンレス配水池は水道分野の施設として登場してから日が浅いが、加速的にその実績を伸ば
している。形状的には、円筒型、角型(矩形)があるが圧倒的に角型が多い。ステンレス配水池
の容量として採用されてきたのは、1,000m³
以下の比較的小型のものが大部分を占めてきていたが、年々大型化する傾向にある。
角型配水池は、円筒型と異なり壁だけでは構造物として成り立たないので、内部補強材が不可
欠である。この内部構造については、一般にトラス構造・ラーメン構造などがありメーカーに
よって基本構造の採用は異なっているのが現状である。しかし、配水池自体が比較的小型の
場合は、さしたる問題もないと思われるが、10,000 m³
クラスの大型構造物となった時、従来とは全く異なった考え方で
その設計にのぞまなければならないので、以下に紹介をしたい。
2.壁自立型角型ステンレス配水池
今回の配水池に採用した新構造の概要は、以下の通りである。
図1に示すように、配水池は、寸法:48×24×10 Hm 、満水水位:9.7m、有効容量:
10000m³の2池式角型配水池である。同配水池の最大特徴として、対向の側壁を連結
する水平材を用いないことと、側壁の補強の為に壁際に縦置きトラスばりを設置することであ
る。即ち、片側の壁が独立した壁自立型補強方式となっている。また、天井の積載・積雪
荷重を支える為、3m間隔で鋼管柱を設置し、縦置きトラスばり脚部の浮き上がりを防
ぐ為、アンカーボルトを基礎に直接に埋め込んだ。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。