要旨:矩形ステンレス鋼製配水池は、円筒型と異なり内部補強材が不可欠のために、耐震
設計がより複雑であるにもかかわらず、標準的な設計指針はないのが実情である。本論文で
は、広く利用されている、ブレース付き架構の内部補強構造を有する矩形ステンレス鋼製配
水池に対して、構造力学の観点から天井ばね力の考え方を導入して耐震設計を試みた。さら
に、その設計結果に対して、有限要素法(FEM)と称する3次元数値シミュレーションツー
ルを用いて照査し、両方の結果がよく一致していることが明らかになった。矩形ステンレス
配水池は、重要な水道施設として、その実績が確実に年々増大した背景もあって、今後の地
域住民の安全・安心な生活を確保するには、その設計指針の確立が急務となっていると思わ
れる。そのために、本論文が何かの役に立てば幸いである。
キーワード:矩形鋼製配水池、耐震設計、数値シミュレーション、ブレース付架構
分類項目:配水池、配水池の設計・施工
1.はじめに
ステンレス鋼製配水池は水道施設として登場してから日が浅いが、その耐震性、経済性、
美観、衛生性、フリーメンテナンス性など多くのメリットが評価され、その実績が加速的に
伸びている。特に、そのうちの矩形配水池は、敷地形状の対応性に優れた特徴を有して、毎
年竣工の基数が着実に増えるばかりでなく個々の容量も次第に大きくなっていて、10,000m
3 級1 )の矩形ステンレス鋼製配水池も施工されようとしている。
水道施設の設計については、阪神・淡路大震災後、特に耐震性についての重要性が求めら
れ、1997年に『水道施設耐震工法指針・解説』が大幅に改正された。しかし、同指針に
は円筒型鋼製配水池について詳細が記載されているが、矩形鋼製配水池については言及され
ていないのが実情である2 )。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。