1.はじめに
角型ステンレス配水池は、水道施設として普及してきたが次第に
大容量のもの迄施工されるようになってきた。平成20年6月には
徳島県松茂町浄水場改良工事にて(幅48m、奥幅21m、高さ10m)
容量10,000m³級(有効容量9500m³)の配水池が完成した。
タンクの外壁は1m×1mの成形パネルの溶接構造で、
タンクの内部補強は水平材を極力用いず、
壁自立型構造とした。同配水池の容量は国内最大級で、
補強方法も日本初の試みである。
以下では、このタンクの設計及び施工について報告する。
2.構造設計
従来の角型タンクの内部構造では、図1に示すように水平材(破線)
とブレース材は常時の静水圧、地震時の動水圧を
それぞれに負担させるように設計する。水平材とブレース材が連結されて
いるので、実際に常時の静水圧が作用した場合、水平材は勿論、
ブレース材にも応力が発生する。即ち、水平材とブレース材は共同で
静水圧荷重に抵抗することになる。小容量のタンクの場合、
水平材が静水圧の殆どを負担するので、
容量が大きくなるにつれて、水平材の静水圧の負担分が
減少し、同時にブレース材の静水圧負担分が大きくなる。
例えば、タンクの幅50mの場合、水平材は静水圧の2、3割しか
負担していないことが明らかになった。大容量配水池の耐震設計に
当たっては、上述の負担状況を考慮して水平材とブレース材の
断面設計を行わなければならない。
このため、今回の配水池は図1の破線で示す水平材(最上段を除く)を
設置せず、静水圧の全部を
ブレース材に負担させる「壁自立型構造」とした。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。