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  • 2014.02.05第1部 サイホン遮断法を用いる 2 段階制御法による緊急時水確保システム付配水池

    1 背景

    日本は地震の多い国である。近々20~30年の間には東海地震がかなり高い確率で起きる

    ことも想定され、地震強化地域の見直しがされたことは記憶に新しい。大型地震発生時の

    非常時に飲用水の確保をすることは、今後もますます重要な課題となる。水道システム構

    成から見ると、緊急時の水確保は、配水池において行うのが最も簡単で且つ安価に出来る。

    緊急時において、配水池の貯水を確保する為、緊急遮断弁システムが開発、実用化され

    ているが、その普及率は極めて低いのが現状である。その理由は、下述の要素が考えられ

    る。

    (1)高額

    通常の、緊急遮断弁を用いるシステムでは流出管を遮断する方法を用いるの

    で、管径の増加につれて遮断弁の口径が大きくなったり、ウォータハンマー軽減の為に遮

    断弁の構造が複雑になったりして、弁自体の値段が高くなる。更に、弁の大型化に伴い弁

    の収納スペース・制御などの動力システムの容量が大きくなったり、不断水の定期点検の

    為にバイパスの設置が必要となったりするので、関連費用も高くなる。

    (2)誤作動

    流量制御型緊急遮断弁は流出量の最大値+αを制御流量値にするのが一般

    的である。配水地域人口の変動・一時の人口の流動・四季による水使用量の変動などの多

    要素の影響で、流出量の最大値の正確な算定が難しい。したがって、設定値が大きすぎる

    と異常が発生しても弁が作動しない。その反面、設定値が小さすぎると異常が発生しなく

    ても弁が作動してしまう。

    (3)復旧作業

    感震式の緊急遮断弁は、作動制御値が一つしかなく、配管破損の確率が

    かなり低いレベル1の地震動(例えば標準設定の200gal)でも作動するように設定されて

    いる。このため、弁の作動が起きても、不本意の断水・復旧作業だけが生じることになり

    がちである。

    上記問題点をクリアする為に、サイホン遮断法を用いる2段階制御法を提案する。

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