配水池流入管専用の新型逆流防止弁及びその性能の評価
同モデルで水理実験を行い、フロートのスムーズな上昇(衝撃無)及び緩やかな降下(ウォータハンマーレ
ス)を確保するために、フロートの形状は、リング付の中空円柱状(図2に参照)が最適で、また、フロート
の比重は水より僅かに重い1.05~1.10g/cm3が最適であることが確認された。一方、フロート式逆流防止弁の
止水方式は、フロートの底面と連結フランジ上面のメタルタッチ構造を選定した。また、漏れ実験の測定条件
及び測定結果を示す表2から、同構造は使用上の支障のない程度の漏れ速度を持っていることが分った。
配水池の気相部塩素ガス濃度については、別のモデルタンクで実験を行い、自由水面以上からの流入方法B
と比較して、自由水面以下からの流入である本方法を用いた場合、曝気が大幅に抑制されて気相部の塩素ガス
濃度が約1/3~1/5に低下するデータが得られた。
貯水の流況については3次元流体解析(COSMOS/FLOWORKS)を行った。自由水面以上からの流入で
ある方法Bと比較して、自由水面以下からの流入である本方法を用いた場合、流入水の運動エネルギーが有
効的に利用されて、貯水の流況(流速の分布などの詳細解析結果は省略)を大幅に改善したことが確認された。
4.まとめ
水理実験及び流況シミュレーションを通じ、以下のことが明らかになった。
1)フロート式逆流防止弁は、衝撃無・ウォータハンマーレスの特徴を持ち、緊急時、流入管破損による
貯水の逆流を確実に防止できる。
2)フロート式逆流防止弁は、ノーパッキンのオールステンレス製で、ばねやヒンジやスライド機構を一切採
用しないシンプルな構造なので、使用中のメンテナンスの必要はなく、低コストが可能である。
3)フロート式逆流防止弁は、配水池の流入管端部に用いた場合、流水音の発生が大幅に抑制したと同時に、
流況の改善による池内の貯水停滞エリアの解消や、塩素ガス濃度の低下による気相部の腐食環境の改善な
どの付加価値をもたらすと考えられる。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。