3.矩形配水池の負荷特性と補強部材の役割
図3に示すように、満水状態の矩形配水池は、常時、水深と比例する静水圧荷重(青色で
表す)を受ける。この静水圧荷重は、対向の両側壁に同時に作用するので、配水池全体は、
水平荷重でなく対称な荷重を受けることになる。ブレース付き架構の水平材は、この静水圧
荷重に抵抗するために設置したものである。
一方、図3に示すように、満水状態の矩形配水池は、静水圧荷重のほかに、地震時、式(1)、
式(2)で表わすHousner らの動水圧算定式 2)で算出する動水圧荷重(赤色で表す)を受け
る。この動水圧荷重は、静水圧と同様に対向の両側壁に同時に作用するが方向が一致するの
で、配水池全体は、水平荷重を受けることになる。ブレース付き架構のブレース材は、この
動水圧荷重に抵抗するために設置するものである。
ここで、γ:水の密度 kH:設計水平震度 h:全水深 Z:計算位置の水深 :区画
長さ(水槽幅の1/2)である。
図3に示すブレース付き架構では、ラーメンの部分に比較してブレース材部分(縦型組立
ばり)の水平剛性が桁違いほど大きくて水平力の殆どがブレース材により負担されるので、
ブレース付き架構を有する矩形配水池の耐震設計は、実質的には図4に示すように、ラーメ
ン部分を無視して、動水圧荷重に対して縦型組立ばりの応力解析を行えばよい。
4.天井ばねの考え方
図4に矩形配水池内の1 枚補強架構を示す。縦型組立ばりは、水平材により数段に分けら
れる片持ちばりであり、ブレース材の軸力を解析するには、各段ブレース材天端に作用する
水平力(PBhi)から算出した各段ブレース材天端に作用する設計用せん断力(QBi)に対して
構造解析を行うのが一般である。しかし、実際の矩形配水池は、複数の補強架構と側壁があ
り、それに縦型組立ばりの上端部が天井板により拘束されたのでブレース材の軸力を解析す
るには、それほど容易なことではない。
以下では、天井ばねの概念を導入しブレース材の軸力に関する解析方法について説明する。
図5にブレース付き架構を有する矩形配水池の立体イメージ図を示す。地震荷重方向には
複数(2 枚)のブレース付き架構のほかに2 枚の側壁面(青色で示す)がある。また、これら
の側壁面は、ブレース付き架構に比較して面内の水平せん断剛性がかなり大きい。一方、側
壁面とブレース付き架構の上端部に設置されている天井面は、水平荷重を受けた場合、幅が
大きく面内曲げ変形が殆ど発生せず、つまり剛床特性を呈するので同一変位と仮定できる。
上記の矩形配水池において、水平力を受けた場合、天井板より低い水平断面においては、
側壁面位置とブレース付き架構位置の変位は、両者の剛性の差により側壁位置が小さくてブ
レース材位置が大きいため、全体的に変位軌跡面が台形状(台形ピンク色で示す)を呈する。
これに対して、天井板位置の水平断面においては、側壁面位置とブレース付き架構位置の変
位は、両者の剛性差による違いが現れようとする面内曲げ剛性の大きい天井板の拘束によっ
て自由な変位量が取れなくて、ほぼ同じ値の変位量(長方形ピンク色で示す)となる。
つまり、天井板は、水平せん断剛性が異なった側壁面とブレース付き架構の上端部を強制
的に同一変位にさせる役割を果たしている。その結果として両者の上端部に内力のばね力
(PBS、PWS)が発生するわけである。
以下では、この内力の求め方について、ブレース付き架構の上端部に作用するばね力(PBs)
を中心に説明する。
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