3. 実験および検討
図2にフロート式緊急遮断弁の実験状況を示す。フロートは、
比重 0.99、流出速度1.12m/s の場合でも、吸い込まれて閉じる
傾向が見られず流出管上部に停留していることが確認された。
フロート式緊急遮断弁の遮断時間は、フロートの比重と給排水管の太さに
左右される。フロートの比重が 1.0 に近いほど、
また、給排水管が太いほど遮断間が短くなる。
15A の給排水管の場合、フロートの比重が0.782 から 1.682 に
変わる場合に必要な時間、すなわち、
弁の遮断時間についての計算結果は表 1 に示す。
表 1 から遮断時間は、遮断弁の口径によって異なるが 500A
までは 30秒を超えないことがわかった。このことから、同弁は、
三方電動弁の口径が小さく関連の制御盤、バックアップ電池の
コンパクト化が可能なので低価格となる。
フロート式緊急遮断弁の止水方式は、パッキンを使用しない
メタルタッチである。表 2 にメタルタッチの止水方式の漏れ速
度の測定結果を示す。表 2 から漏れ速度は、弁にかかる圧力の
減少につれて増大するが0.3l/h 以下の低い値に抑えられてい
ることがわかった。このことから、同弁は、シンプルな弁体構
造が可能となる。
フロート式緊急遮断弁は、吸気管を設置することにより、
遮断時のウォータハンマーの発生を大幅に抑え、
また、吸気管の高さ(水没設置)・直径を調節することにより、
貯水の部分遮断、及びその場合の給水速度の設定を実現できる(図 1 参照)。
フロート式緊急遮断弁設置の場合、給排水管途中の補助弁が閉められれば、
フロートが流出管の上方に停留しつづける(図 1 参照)。よって、
バイパス流出管の設置が不要となる。なお、フロート式緊急遮断弁は、
コンパクト化した制御システム故に、システムを維持する消費電力が僅かとなる。
よって、ソーラー電池の適用も簡単である。
4. まとめ
実験及び検討を通じて、フロート式緊急遮断弁について、以下のことが明らかになった。
(1) フロート式緊急遮断弁は、作動時の配水池の貯水の
ほぼ全量を確保することができる。
(2) フロート式緊急遮断弁は、従来の緊急遮断弁と比較して
コンパクトで低コストである。
(3) フロート式緊急遮断弁は、従来の緊急遮断弁と比較して
弁体の構造がシンプルで、加えて小型制御弁が低価格で
定期交換が可能となるので信頼性が高い。
トラック、トレーラー等で搬入可能の場合は、工場組立となりますが車載可能サイズ以上、
若しくは室内等の小さくても搬入が困難な場合は、現場組立も可能です。
当社で取り扱うステンレス材は、多種に渡りますので、最寄営業所へお問い合わせ下さい。
Ex)飲料用のパネルタンクで国土交通省仕様であれば、
SUS329J4L+SUS444という組合せとなります。
FRP等の異なる材料においても、取り換えは可能です。
固定ボルト等の仕様の異なる点は、現地調査をさせて頂き、
既存に合わせた設計をさせて頂きますので心配ありません。